歯周病は細菌(歯垢・プラーク)が主原因で発症し、症状が悪化していくのですが、細菌(歯垢・プラーク)だけでなく『たばこ(喫煙)』が原因で歯周病の症状が悪化し、さらにタバコを吸っている方は歯周病の治療を行っても反応が見えにくい(=治りにくい)といわれています。
●歯周病とタバコの関係
なぜタバコが歯周病の症状を悪化させ、治りづらくしてしまうのでしょうか?
みなさんご存じのとおり、タバコにはニコチンという物質が含まれています。その『ニコチン』が正常な体の反応を妨げます。歯周病に関係するものは2つあり、1つは『血流量の低下』、もう1つは『口腔内環境の悪化』と考えられます。
具体的には、正常な免疫力を有する人間の身体ではケガや病気をしても自然治癒力があります。ある程度の病気やケガであれば免疫反応によって自然にに治っていくのですが、タバコに含まれる『ニコチン』という物質は血液の流れが悪く、身体の抵抗力を下げるため、十分な血液をケガや病気の場所に運ぶことができない事になります。
よって 喫煙者 = 『病気にかかりやすい』 = 『歯周病になりやすい』 となり
さらに病気(歯周病)になっているにもかかわらずタバコを吸い続けていると、
『病気が治りにくい』 = 『歯周病も治りにくい』 ということになってしまうのです!
またタバコにはニコチン以外にも多くの(有害)物質が含まれており、それらの物質が唾液の分泌量を減少させたり、歯垢(プラーク)を付着させやすくしますので、たばこを吸う人は歯周病になりやすく、歯周病が治りづらく、例え完治しても再発しやすいのです!
すなわち喫煙者=『口腔内環境』の悪い人となり 歯周病治療・予防のどちらにも好影響を及ぼすことはありえません。
たばこをやめない限り歯周病は治らない!とさえ言われていますので、歯周病を完治させ、再発を防ぎたい場合は、たばこをやめる事も1つの歯周病治療法と言えると考えます。
あるデータによると、『タバコ喫煙者は吸わない人に比べて2~6倍、歯周病になりやすい』とされていますので(喫煙歴が長く1日の本数が多ければ多いほど倍率は高くなります)、例え現在、歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをお勧めします。